法人税法の同族の同族会社とは

法人税法の同族の同族会社とは

法人税法の同族の同族会社の説明

法人税法の同族の同族会社

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法人税法の同族の同族会社(概要)

法人税法上のいわゆる同族の同族会社とは、簡単にいうと、三人以下の「同族会社又は個人株主」により、実質的にその会社の株式の50%超を所有されている会社ということになります(なお、別表2では単に同族会社と記載されています)。

通常の同族会社の判定との違いは、判定対象となる株主の範囲が違います。同族の同族会社の判定においては、「同族会社又は個人株主」3名により、実質的に株式の50%超を所有しているかどうかにより判定を行います。

法人税法の同族の同族会社の判定の例

例えば、ある会社の株主構成が次のようになっていたとします。

株主区分持株割合
株主A法人(同族会社)30%
株主B個人20%
株主C法人(非同族会社)10%
株主D法人(非同族会社)5%
株主E法人(同族会社)3%
その他の株主非同族会社32%
※上記の株主A〜Eと特殊な関係にある個人・法人はいないものとします。

この場合、同族会社の判定、及び、同族の同族会社の判定は次のように行います。

同族の同族会社の法人税法上の取扱い

同族の同族会社については、法人税法上、通常の法人と比べて、以下の3つの特例規定が適用されます(いずれも、同族会社側に不利な規定です)。

  1. 同族会社の行為・計算の否認
  2. 使用人兼務役員の範囲の制限
  3. 留保金課税

上記の1、2については、非同族の同族会社にも適用があるため、そちらで説明をしていきたいと思います。このページでは最後の留保金課税について簡単に説明をしていきます。

留保金課税

留保金課税の趣旨・概要

さて、法人税法上の同族の同族会社に該当すると、留保金課税の対象となってしまいます。留保金課税とは、当期の利益のうちで配当等をしないで社内にため込んでいる部分(留保利益)が、税法で定められた基準以上となった場合に、その部分について特別に税金を課す制度をいいます。

なぜ、このような制度があるかというと、個人事業主に対しては獲得利益に対して、累進課税が行われるのに対して、法人の場合には定率課税であるため、法人からの配当等を経済合理性にそぐわないくらいの定率に抑えられてしまうと、課税の公平性が保たれないから、というふうにいわれています。

また、普通の会社には留保金課税が課されない理由は、普通の会社では、株主等の牽制が適切に機能しており、配当等の水準も適切に定められている、と考えられる一方で、同族の同族会社の場合には、恣意的な決定がなされやすいから、と言われます。

留保金課税の税額の計算方法の概要

留保金課税の金額は、「留保金額−留保控除金額」に対して、下記の区分ごとにそれぞれの税率を掛けて求められます。

区分税率
年30,000千円以下の金額10%
年30,000千円超100,000千円以下の金額15%
年100,000千円超の金額20%

法人税法の同族の同族会社(条文)

では、実際に条文を見ていきましょう。法人税法上の規定は、下記のようになっています。下記のうち、枠線で囲まれている部分が「同族の同族会社」の定義となる部分です。この条文を見ると、この定義を満たす同族会社について留保金課税がある、という文脈でこの用語が出てきていることがわかりますね。

(同族会社の特別税率)
第六十七条 内国法人である同族会社同族会社であることについての判定の基礎となつた株主又は社員のうちに同族会社でない法人がある場合には、当該法人をその判定の基礎となる株主又は社員から除外して判定するものとした場合においても同族会社となるものに限る。以下この条において同じ。)の各事業年度の留保金額が留保控除額を超える場合には、その同族会社に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、前条第一項又は第二項の規定にかかわらず、これらの規定により計算した法人税の額に、その超える部分の留保金額を次の各号に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に当該各号に定める割合を乗じて計算した金額の合計額を加算した金額とする。
 年三千万円以下の金額 百分の十
 年三千万円を超え、年一億円以下の金額 百分の十五
 年一億円を超える金額 百分の二十