法人税法の非同族の同族会社とは

法人税法の非同族の同族会社とは

法人税法の非同族の同族会社の説明

法人税法の非同族の同族会社

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法人税法の非同族の同族会社(概要)

法人税法上の非同族の同族会社とは、同族会社ではあるものの、同族会社の判定において「同族会社である法人」を判定の基礎となる株主から除いて判定すると同族会社とはならない同族会社のことをいいます。つまり、同族の同族会社以外の同族会社のことをいいます。

具体的には、同族会社でない会社の100%子会社などが例として挙げられます。このような会社(100%子会社のほう)は、形式的には同族会社ではあるものの、それを支配している会社そのものが、通常の会社であるため、留保金課税の適用を除外しているのです。

法人税法の非同族の同族会社の判定の例

例えば、ある会社の株主構成が次のようになっていたとします。

株主区分持株割合
株主A法人(同族会社)30%
株主B法人(非同族会社)20%
株主C法人(非同族会社)20%
株主D個人10%
株主E法人(同族会社)3%
その他の株主非同族会社17%
※上記の株主A〜Eと特殊な関係にある個人・法人はいないものとします。

この場合、同族会社の判定、及び、同族の同族会社の判定は次のように行います。

同族会社の法人税法上の取扱い

同族会社については、法人税法上、通常の法人と比べて、以下の特例規定が適用されます(いずれも、同族会社側に不利な規定です)。この2つについて、このページで簡単に書いていきたいと思います。

  1. 同族会社の行為・計算の否認
  2. 使用人兼務役員の範囲の制限

※なお、留保金課税については、同族の同族会社にのみ適用される規定であるため、非同族の同族会社には適用されません。

同族会社の行為計算の否認

同族会社は大株主が少人数しかおらず、節税のためにだけに、経済合理性のない取引(行為・計算)を行いがちであるため、そのような行為・計算により法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められる場合には、税務署長の職権で所得の金額等を計算することができます。この規定は、いわゆる包括規定と呼ばれ、具体的に、何がが「法人税の負担を不当に減少させる」行為なのかが法律上明記されていないため、注意が必要です。

使用人兼務役員の範囲の制限

同族会社の株主で一定の要件を満たす者がその同族会社の役員となっている場合、その者は使用人兼務役員となることはできず、その者に対して支給した賞与は全て損金不算入となります。そのような者は、この同族会社の実質的な経営者と同視できるという考えに基づいています。

具体的に、上記の「一定の要件」とは何かというと、下記の3つの要件となります。この要件を全て満たす者は、使用人兼務役員とは認められません。

  1. 持株割合を合計してはじめて50%超となる上位3位以内の株主(又はその株主と特殊な関係にある者)であること
  2. その者+その者と特殊な関係にある者の持株割合が10%を超えること
  3. その者(+配偶者+これらに50%超株式を所有されている会社)の持株割合が5%を超えること

法人税法の同族の同族会社関連条文

法人税法
(同族会社等の行為又は計算の否認)
第百三十二条 税務署長は、次に掲げる法人に係る法人税につき更正又は決定をする場合において、その法人の行為又は計算で、これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その法人に係る法人税の課税標準若しくは欠損金額又は法人税の額を計算することができる。
 内国法人である同族会社
 (略)

(役員賞与等の損金不算入)
第三十五条 内国法人がその役員に対して支給する賞与の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
 内国法人が、各事業年度においてその使用人としての職務を有する役員に対し、当該職務に対する賞与を他の使用人に対する賞与の支給時期に支給する場合において、当該職務に対する賞与の額につき当該事業年度において損金経理をしたときは、その損金経理をした金額のうち当該職務に対する相当な賞与の額として政令で定める金額に達するまでの金額は、前項の規定にかかわらず、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
 (略)
 (略)
 第二項に規定する使用人としての職務を有する役員とは、役員(社長、理事長その他政令で定めるものを除く。)のうち、部長、課長その他法人の使用人としての職制上の地位を有し、かつ、常時使用人としての職務に従事するものをいう。

法人税法施行令
(使用人兼務役員とされない役員)
第七十一条 法第三十五条第五項(使用人としての職務を有する役員の意義)に規定する政令で定める役員は、次に掲げる役員とする。
 副社長、代表取締役、専務取締役、専務理事、常務取締役、常務理事、清算人その他これらの者に準ずる役員
 合名会社及び合資会社の業務執行社員
 監査役及び監事
 前三号に掲げるもののほか、同族会社の役員のうち次に掲げる要件のすべてを満たしている者
 当該会社の株主グループにつきその持株割合が最も大きいものから順次その順位を付し、その第一順位の株主グループ(同順位の株主グループが二以上ある場合には、そのすべての株主グループ。以下この号イにおいて同じ。)の持株割合を算定し、又はこれに順次第二順位及び第三順位の株主グループの持株割合を加算した場合において、当該役員が次に掲げる株主グループのいずれかに属していること
(1) 第一順位の株主グループの持株割合が百分の五十を超える場合における当該株主グループ
(2) 第一順位及び第二順位の株主グループの持株割合を合計した場合にその持株割合がはじめて百分の五十を超えるときにおけるこれらの株主グループ
(3) 第一順位から第三順位までの株主グループの持株割合を合計した場合にその持株割合がはじめて百分の五十を超えるときにおけるこれらの株主グループ
 当該役員の属する株主グループの当該会社に係る持株割合が百分の十を超えていること。
 当該役員(その配偶者及びこれらの者の持株割合が百分の五十を超える場合における他の会社を含む。)の当該会社に係る持株割合が百分の五を超えていること。