税法と通達
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通達は行政組織内の命令
通達とは、国税庁長官が国税庁職員に対して発する命令で、税務行政を執行する上で、国税庁職員は通達に従う必要があります。
法令では、どうしても規定が抽象的になってしまうため、個別具体的な解釈に疑義が生じる場合があります。そこで、国税庁では通達を発することにより、国税庁職員による取り扱いを統一しようとしているのです。
通達はあくまで、行政庁が法律の解釈を決めているものです。本来的には、法律の解釈は裁判所によって行われるべきものなので、通達には、判例とは違い、一般的な強制力はありません。
にもかかわらず、現在の実務は、この通達に大きな影響を受けています。それはなぜでしょうか?
通達は実質的なセーフハーバールール
通達は国税庁内で定めた統一見解です。これを逆にいうと、納税者が通達に従った処理をしている限りは、国税庁は文句をいわない、ということを意味します。つまり、納税者は通達に従っていれば、原則として、法令違反だとして国税庁から指摘を受けることがないわけです(このことをセーフハーバーといいます)。
これは、大きなメリットなので、実務上は、通達に従った処理をすることが多いのです。
通達に従わない≠法令違反
逆に、通達に従わないとどうなるでしょうか?少なくとも、理論的には通達に従わないからといって即法令違反になるとはいえません(下の図を参照)。
つまり、通達に従わないでも適法、という部分があるはずなのです。本当に限界に迫ろうとするプロの税理士は、場合によってはこの領域を狙わなくてはいけない時もあると思います。
通達は優れた法令の解釈指針
もっとも、国税庁としては通達で明確に否定している事が適法とされてしまうとメンツがつぶれてしまいますから、実際にはかなり慎重に通達を定めているものと思います。
裁判所で、通達を否定するような判決が下されることが少ないこともそれを実証しています。
このように通達を何も考えずに鵜呑みにするのは避けるべきですが、通常の場合は通達法令の解釈指針としては優れたもので、実務上従うべきものと言えるのではないでしょうか?